あめにとけていく、ぜんぶ、ぜんぶ。


しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん

口ずさむ。
切ないメロディー。


しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん


空からわたしに冷たく打ち付けてくる大ぶりの雨は、
わたしを経由して、地面に落ちていく。
わたしを無視して、勢いよく落ちていくものもある。
どんな雨も、どんな1つ1つの雨も。
結局、最後は消えていく。
地面に落下して、そしてそこで彼らの運命は終わりなんだ。


しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん


だったら、おもいでだって、すべて、きえれば、いいの、に、な。

途切れ途切れに言葉をつないだって、雨にかき消される。
小さな、小さな雨だって、
たくさんたくさん降ったら、わたしの言葉なんて負けてしまう。


しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん


おもいでだってそうだ。
どんなに小さくてどうでもいいようなおもいでも、
いっぱい、一杯集まると、どうにも収集がつかなくなって、
消える場所を失って、わたしの心をいつまでも漂うんだ。




しとしと、ぴ、っちゃん   し、とぴっちゃ、ん

周りは、すぐ忘れられるよと励ましてくれるけど、
そんなこと、できないんだ。
少なくとも、今は、このおもいでが消えてしまうことを考えられないし、
考えたくないし、そして、未来を思いたくても、浮かんでこない。これっぽっちも。


この雨がやんだら?
わたしはどうするんだろう?

やむことがなければ、どうするんだろう?



しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん

リズムを変えない、優秀な雨たちはわたしをあざ笑うかのように次々と落ちてくる。



だいすき、だったのに、なあ。





ふられたことを根にもつ、ような、こんな、情けないわたしに、
雨は容赦なく、降りつづけている。
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
ケラケラ、笑いながら、雨たちは、わたしの心、水びたしに、していく。
(ほんとは最初からわかってた遊ばれてるってわかってたあの人がわたしを好きだなんてことありえないってわかってたそれなのにそれ以上をのぞんでしまったわたしが悪いんだわかってたのに。叶わぬ恋だってことくらい、わかってたのに。

----------------------fin.
しょ、小説じゃない…!20040628
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