恋占い


「お前、何見てんの」

「げ」



雑誌の、占いのページを立ち読みしているところをユースケに覗かれた。
咄嗟に雑誌を閉じて隠したけれど、もう見られてしまってた。



「お前恋愛とか気にしてんのかよ、うける」
「う、うけるとはひどい」
「占いなんてね、カンケーねえのよ。頑張るのみよ、恋っつうのは、わかる?アンダスタン?」
「うるさいうるさい。忘れて。今日のことは忘れて」



ひゅー。青春してるじゃん。なんつってにやにや笑うユースケを、あたしはびしばし殴る。
いてえいてえと笑う顔。何にも痛そうじゃない。



「おい、ユースケ、何してんの」
「あー、今行く」



ユースケが友達に呼ばれて、じゃあなってあたしの前からいなくなる。







頑張るのみって言われたって。
占いに頼りたくなっちゃうんだもん、しょうがないじゃん。
うるさい心臓を無理やり沈めて、もう一度同じページを開く。




『絶好調!思わぬところで好きな人が声をかけてきてくれるかも!』


だってほら。
そのとおり。






ありがとうございます。声かけてきてくれました。ありがとうございます。
その雑誌に向かって、こっそりお辞儀をしてみたり。

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…なんだこのわかりにくさは!!お題久しぶり!20060330
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