ストマケイクは突然に。


嗚呼嗚呼嗚呼。おなかがいたい。
恐ろしいほど、おなかがいたい。

昨日、何を食べたっけ。




「お前、どしたの」

ケロっとした憎たらしいほど爽やかな声で、
わたしの隣の席の康介が顔を覗き込んできた。


今は、おなかが痛くていつも以上にブサイクなの!見んな!

なんて抵抗もできないほど、おなかがいたくて、顔を歪め俯いた。


「佐藤ー?」


それでも、康介はさらに顔を覗き込んできた。


もう、ほっといてください!!


そう、一言だけ伝えようとして上を向いたわたしの目に飛び込んできたのは、
とてもとても、普段からは考えられない康介の困った顔だった。

「だいじょーぶ…?」


保健室行こっか!
そう言って康介は、おなかを抑えてうずくまるわたしの腕をひいて、教室を飛び出した。


「腹痛ー?胃痛ー?」

あっ、せーり痛ー?


サラっと笑顔でそんなことを言ってのける康介。
ひっぱられる腕から、康介の体温が直接感じられる。


「おなかの薬ないかなぁー」

こんなときに限って保健室の先生はいないものだから、
康介が保健室内を動き回って薬を探し歩いている。


あ!腹痛にきくやつ発見ー。


嬉しそうにわたしに薬を見せ付けて 飲むー? と能天気に笑ってくる康介。
でもごめん、もうその薬必要ないや。


「康介。わたし、おなかじゃなくて胸が痛いよ」

あなたのせいで!!




「...胸ぇぇ?!しんぞーじゃん!あぶねー!!」


「ち、ちがうって!!」


鈍感でマイペースな康介が大好き。

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こんなのかいちゃう自分が大嫌い!20030810
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