初めから、3



会いたかった。
小林先輩に、会いたかった。
話したいことが、いっぱいあったような気がした。

なのに、実際会うと、何を話していいのかわからなかった。



「香奈さ、今度土日どっか行かない?」
「あ、はい、えっとー毎週日曜日は康平のサッカー見なきゃいけないんで、土曜日がいいです!!」

言ってからわたしは自分の言葉が大失敗だったと思う。
でも、今までずっと日曜日は康平のサッカーの試合を見に行ってたから、つい。

「というのは今までの話でこれからはどっちでもいいです」
「そっか、よかった。じゃ、早速次の日曜日に映画行こうか」
「あ、はい!楽しみです」


何をこんなに、わたし、あせっているのかわからない。
言い訳みたく必死にいろんなことを考えている意味もわからない。

「康平…って、あのサッカー部の、香奈と仲良いやつだっけ」
「あ、仲良いっていうか、昔からの幼馴染で」

康平とはなんにもなくて、
もちろん小林先輩と付き合ってからは全然話してないですし、


ぐるぐるぐるぐる、言い訳が言い訳が。(ああーわたし何してるの)


「香奈」
「あ、はい」
「香奈が俺と付き合ってくれてよかった。」
「あ、えへへ」
「香奈が俺のこと好きになってくれてよかった。」
「あ、へへ」



なんだろう、これ。
なんにも、いえない。
すきだから。緊張して、何も言えない?
じゃない。違う、わかんない。



『香奈ー』
『なんでもねーよっ』


康平と、もう、何日話してないっけ。



思い出したのは康平とのくだらないやり取り。
康平の子供っぽい雰囲気と子供っぽい話し方。


わたしは、小林先輩のことが、すき。
なはずなのに、不思議。
すごく、帰りたい。



康平に会いたい。
康平に会いたい。
康平に会いたい。



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つづく
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