take it easy 3話


「このCDありがと」
「ああ、どうだった?」
「うん、なんかすごく普通でした」
「おい普通って何だよ」


健太はマックでがぶりとハンバーガーにかぶりついて笑う。
あたしはポテトをぱくぱく食べる。


「俺はたぶんあいつが結局ヘマすると思う」
「ふーん」
「興味持てよ」
「すごい興味あるよ」
「無いじゃん」


健太が連ドラの今後の展開について予想をつらつら語って、あたしはそれをふんわり聞いて相槌を打つ。
なんかいつもこんな感じ。
あの再会から、半年たった。
今は、こんな感じ。



「修学旅行、来月でしょ?」
「あ、そうだっけ。うんそうだ。来月だ」
「忘れてんなよ。韓国いいねー、俺んち沖縄だしね」
「沖縄いいじゃんいいじゃん。海が綺麗海が」
「や、泳ぐの駄目なんだよ。まあ冬だし。どうせなら女子の水着が見れる夏が良かった」
「海眺めてるだけでリフレッシュって感じしそうじゃん」
「海ねえ。んじゃいつか行こう」


それってあたしを誘ってるよね?
でも返事はしない。
ぱくぱくぱくぱく、ポテトを食べるのに熱中するふりをする。



「俺の友達の彼女の話していい?」
「いいよー。どうせ嫌って言ってもするでしょ」
「うんまあ、そんでさあ。その彼女、修学旅行で北海道行ったらしんだわ。したらさ、そこの泊まるホテルに違う学校の修学旅行の生徒も来てて、んで、その他校の男子らと仲良くなって部屋とか入れちゃったらしい。バレて大問題」
「へえ、馬鹿だね。その彼氏かわいそうだね」
「ですよねえ。馬鹿ですよねえ」
「馬鹿ですね」
「そんな馬鹿なこともちろんしませんよね?」
「…………………………はい」
「その間。その間は何の意味があるよ、おい」



こんな風に。
こんな感じになったのは、いつだったか。
どんな風な過程があったか。
なんかよく思い出せない。
ものすごく、とんとん拍子っていうんじゃないけど、なんかあっという間だった。

あたしは何かしたわけじゃなくって、ただぼんやりしてただけなんだけど。
なんかこんな感じになっていた。



「うわ、お前ポテトまさか全部食った!?」
「うん、おいしかったー」
「俺まだ食ってねえよ!まじかよありえねえ」



付き合っては、いない。
------------------------fin.
おろろ。20060503
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