わたしの隣の席の北嶋くんは、そりゃあもうモテモテBOYくんでとても格好良くて、この学校のヒーロー的存在です。(あ、間違えた。葛西くんがヒーローだった) 声高らかに笑いましょう。 北嶋くんの存在は高校1年生のときから知っていました。だって彼はバスケで中学時代MVPをとった超スーパーウルトラ注目BOYだったのだから!!さらにそのあと突然、この学校の1番の不良になってしまったというんだからもう学校中が彼の存在を知っていたと言っても全然過言じゃあないです。 もちろんわたしも北嶋くんを怖がるうちの1人であったから、3年で同じクラス(しかもお隣の席)になってしまったときなんて、衝撃が大きすぎて2日間寝込んだりしたのです!!あのときは大変でした。一生分の涙を使い果たしたとそう錯覚したくらい泣きました。 北嶋くんは輝かしい栄光のMVPという存在から一転、暗黒の不良時代をおくっていました(そりゃもう語れないほどの悪さをしたらしいです)。 それなのに突然、とっても長くて(汚らしかった)ロングヘアーを切り落とし、あっと驚く好青年に変身してしまったのだからさあ大変。まわりは大騒ぎです! もちろんこの大事件は学校中で有名になりました。女子たちは髪を切ったら案外格好の良かった爽やか北嶋くんを見学しに来たり、男子たちはクスクス笑ったり、もうとにかく北嶋くんはこの高校3年間話題の中心になった1番の人なのです。 北嶋くんは運動がすごく出来ます。でも勉強のほうは一切できない(というかやらない)もんだから、授業中いつも寝ています。そんな北嶋くんの寝顔をこっそり拝見してみるのがわたしの日課だったりするのです。 「何ニヤけてんだよ」 「北嶋くんのことを考えていたのでーす」 「まじで」 「まーじーで」 「まじで」 「まーじーで。北嶋くんずいぶん変わったもんだなーと思ってね」 「だーもーうっせーぞ」 どうやら北嶋くんは過去のこわーかった暗黒時代のお話をされるのが嫌らしいのです。消し去りたいらしいのです、後悔しているらしいのです。なんとまあかわいい一面もあるのですね。 うふふと笑うと北嶋くんもなんだよ、お前と笑いました。わたしったら性格がひねくれてるもんだから、本人が嫌がってることをついついしたくなってしまいます(もうこれは癖です)。 「北嶋くんはそれにしても怖かった」 隣になったときは登校拒否をしようと思ってました。目つきも鋭いし歯もないし髪の毛もダラっとしてたし。 北嶋くんはこんな風にわたしなんかにボロくそに言われても、全然怒りません。ちっとも悪いと思ってないような声であーあーごめんよあっはっはーと天井見ながらそれにちょこっと笑いながら言いました。 そんな幼稚な姿がかわいらしくって思わずクスっと笑ってしまいました。そうすると北嶋くんも恥ずかしそうに笑いました。 クスクス笑いだったのに気づくとアハハと声高らかに笑っています。不思議なもんです。これは。 「寝不足で眠いよー」 「おれもー」 わたしと北嶋くんはよく天井を見ながら喋ります。わたしの癖で、北嶋くんもおんなじ癖です。今日だっていつものように天井向いて陽気に喋るのです。 北嶋くんはチラチラとわたしを見ます。(チラ見だチラ見!)北嶋くんはいつだってわたしのことを気にかけてくれています。 北嶋くんが居眠りするときは必ずわたしの方に顔を向けています。北嶋くんはわたしが遅刻をするとすごく不機嫌になっています。(そのうち機嫌直るけどね) わたしはすごくすごーく怖くて大嫌いだった北嶋くんに。 今すごくすごーく愛されてるなあと感じるんです。 北嶋くんのおっきなおーっきな愛に包まれてるなあと、そう思うんです。 わたしのほうは、北嶋くんのこと好きだとか愛してるだとか、そんな風に思ったことなんて1度もないのだけど。 北嶋くんはたまに、たまーに、わたしに好きだとかそういう言葉を言ってきてくれます。でもそのたびにえ?何?とききなおしてごまかすともういいよと北嶋くんはうなだれてしまいます。うなだれた姿は昔の怖い姿には似ても似つきません。 そっけない態度をすると北嶋くんがとってもとってもすねてしまうので、かわいいなあと思うのです。 それに、北嶋くんとこれからも声高らかに笑いたいなあと思うから、北嶋くんのそばにいようと、そう思ってるのです。 この素直な気持ちを北嶋くんに伝えたら北嶋くんは顔を赤くして「まじで」と言って笑ってました。わたしもつられて笑って、声高らかに笑いましょう、と言ってみました。 ----------------------------end. 北嶋のモデルはそうです、ミツイです。スラムダンクの。モデルどころかもろ三井の設定です。最初は三井くんの小説だったのです。わたしはミツイが好きですきでしょうがないのです。2004-02-18 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||