手をつないで


昨日、読んだ漫画で主人公カップルが手をつないで歩いていた。
って、あの、でもあれは漫画だしね。そうなの。漫画なんだもん。
だいたい手をつなぐなんて、恥ずかしすぎる、し。
だから関係ないんだけど、でも。



たけしの手。
なんだか気になってしょうがない。

わたしの手。
たけしの手より、なんかぷにぷに。
むかつく



テストが近いと、自習とか自主勉強の時間が増える。
今もその時間。
全然勉強してない子もいるから、がやがやうるさい。


わたしは、たけしの手ばかり見て。



「…わかる?」
「わかる」
「…うそでしょ」
「うそでした」


たけしはわたしに数学を教えてくれてる。
恥ずかしいくらい馬鹿で何も出来なくて。
そんなわたしを気にしてくれて、たけしはわたしに色々と説明をしてくれる。
でもたけしは口数少ないからなんかいろいろはしょってるし、意味不明の数字とか公式とか出てきてほんとなんにも理解できない。


それに、手が気になって。



こんなことじゃいけないのに。
せっかくわざわざ教えてくれてるのに。
たけし、自分の勉強したいだろうに。




「たけし、自分の勉強していいよ、ごめんね」


そう言うと、たけしは驚いた顔でわたしを見つめてくる。
なんだろうと思ってわたしも見つめ返すと、たけしは俯いて頭をかいた。






「今度一緒に、勉強…しない?」



たけしがわたしにそう言った。
ど、そ、ど、ど、そ、それって、ど、どういうこと?!




今日、明日、あさって、土曜日、日曜日。
テストまでの日にち。



「図書館とか…行って…」


たけしは。
わたしがいたら迷惑じゃ…ないのかな…。




「わたしの、心配はいいよ。あの、たけし自分のやんなきゃ」
「俺は、大丈夫。だから」
「……わたし、そんな心配されるくらい馬鹿かなあ」



小さく呟くと、たけしは違う違う違う違うって大慌て。
わたしは、嬉しいよ、恥ずかしいけど。
でも、たけしは。



「…わたし邪魔になっちゃうし」
「なんない、です。いつ行く?」


絶対絶対邪魔になる。断らなきゃ。そう思うのに、うれしくて。嬉しくて。


「い、つでも・・いい。たけしが行ける日でいいよ」
「じゃあ全部は?」



え?
顔を上げると、たけしは真剣な顔だった。


今日は、たけしがおかしいよ。




全部って。そんなにいっぱい。いっぱい。
そしたらいつか、どれかの日には。
手を、つなげれば。嬉しいな。

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たけしがーーーー!!!20060401
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