指きり


39点。


返ってきたテストの点数にびっくりする。
だって、だって39点なんて。
数学で39点なんて。50点満点中39点。
そりゃ、周りから見たら普通かもしれないけど、わたしには奇跡で。
だからびっくりして。
知らず知らずにニヤけただらしのない顔、気付くとたけしに見られていた。

「よかったね」とたけしが笑ってくれたから、ますますうれしくなる。


「たけしのおかげだよー」
「何が!?」
「たけしが教えてくれたから。」
「…違う、がんばったからだよ。」

そのことばが、その一言が、本当にうれしくて。



そんなたけしは48点とかいう天才っぷり。
たけし、すごいねえと心から言うと、数学、すきだからって照れるたけしに、なんだか心がほんわかして。



「たけしがいないと、わたし、数学また出来なくなっちゃうから…。また、教えてくれる…?」

恥ずかしくて、恥ずかしくて、たけしの顔を見られないけど、「うん」って答えとこれからずっと教えるよっていう信じられないくらい甘い響きのした言葉が聞こえたから。
そっと小指を差し出すと、何もいわなくても、誰かの小指がわたしの小指に絡まった。
誰かの小指、なんてしらばっくれてるけど、たけししかいないし。たけしじゃなきゃいやだけど。



がんばると、こんなにも幸せ。
大嫌いな数学も、たけしがいたらがんばれる。
小指から、じんじん熱を感じながら、わたしはこぼれる笑顔を隠せなかった。

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20090207
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