休日、午後の雑談にて。2


「三原くん三原くん」

わたしが話し掛けると、三原くんは顔を上げる。
口数の少ない三原くん。
一緒にいるときは、ほとんどわたしばかり喋ってる。


「三原くんてさ、芸能人とか誰が好きなの?ほら、なんかそういうのわたし全然知らなくて!三原くんの好みとかさー、どんなのなんだろーって思ってて」


三原くんは、あからさまに困っていた。
目が合うと困ったように苦笑いして、黙り込んでしまった。



「1人に絞んなくてもいいよ、でもどういうの好きなのかなーと!あ、もしやわたしと正反対とか?それでもいいよー教えてよ。あ、それかわたしが嫌いな芸能人系?」

「…そうじゃないけど」


また、三原くんは困っていた。
でも、気になるんだもん。三原くんの好きなタイプが、ショートカットなら髪の毛伸ばさないし、ロングヘアーなら伸ばそうと思う。おっとりした子だったら、今の性格めちゃくちゃ直さなきゃと思うし。
三原くんのいろいろを、知りたいんだもん。
三原くんの1番に、なりたいんだもん。ずっとずっと。


でも、三原くんは教えてくれないんだね。


「三原くんは、秘密ばかりだね」



最低だ。わたし。こんなこと言うなんて。困るのわかってて、こんなこと言って。
最低だ。言っちゃいけないってわかってるのに。
無駄なことばっか喋るこの口が。
くだらないことばっか喋る、この口が。






「芸能人とか、あんま興味無いから」


三原くんは、優しい。いつだってわたしのくだらない話を聞いてくれて、こんな最低なことばっか言うわたしにも、こうやって律儀に答えてくれて。
わたし、嫌われてもしょうがない。そう思うよ、嫌だけど。絶対嫌だけど。


「そっか、わかった、ごめんね」

いっつも迷惑ばかりかけて。意外な組み合わせだって友達にも言われるし。
三原くん、わたしのこときっと重いんだろうなあ。




「他に興味無いから。1人で、頭いっぱい」
「………1人って」


…わたし…なのかな…?


わたしと三原くん、きっと付き合ってるはずなんだけど。
だったら、わたしってことなのかなあ?




「わたしって、三原くんの彼女…だよね?」

恐る恐るたずねると、三原くんは優しく「違うの?」と笑った。
違ってない!って即答すると、三原くんはまた優しく笑った。
このひとと、一生一緒にいたい。心からそう思う。

(相変わらずおんなのこがうざさまんてんです!)20050918
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